『らん!!』




……あれ?





今なつ君の声が聞こえたような。





私は足を止めて、振り返った。






『…あ、ちょっとすみません。通ります。』






と、人混みを割って来たなつ君がいた。






しかも腕に花束を抱えている。






『ごめん、蘭。遅くなった。あとこれ、はい。』





と、持っていた花束を私にくれた。





「え、これ…。」





『入学おめでとう。』





こんな花束なんて貰ったことない。



しかも私が好きそうなお花ばっかり。






「う、嬉しくて言葉にならないです。ありがとう。」






『それと…。』





と言ってポケットから何やら小さな四角い箱が出てきた。