『珍しいな。古村が転けるなんて。』




「そうですか?」




『あぁ。珍しい。』






それから先生は何かを考えているような、少し真剣な顔になった。





「っ痛い!」




消毒液が傷口に染みた。





『ったく、それぐらい我慢しろ。』




「なっ…、酷いよ先生。」




『……仕返しだよ。』




「へ?今なんて言いました?」




『いーや、独り言。』




最近、先生独り言多い気がする。




『ていうかさ、』





と、先生は消毒していた手を止めた。





「…ん?どうかしましたか?」