そう言った立川さんは、この学園の理事長のお孫さん。


少し長めの髪を後ろでまとめていて、優しげな雰囲気だけど、プレイボーイの噂が後を絶たない。


「まあ、なんにしろ、結婚おめでとう」


「だな、伊織はモテるくせに女っ気が全くないから心配してたんだぞ。結婚式には呼べよな」


「ああ、もちろん。でもまだ内緒な。おまえらだから特別に話したんだから」


「俺、伊織は女に興味が無いのかと本気で思ってたぜ。なんだよ、こんなに可愛い子と隠れて付き合ってたのか、隅に置けないやつだな」


立川さんは伊織さまの肩を小突いて意味深ににやけている。


伊織さまは、そんな立川さんを嬉しそうに見返して2人で掌をパチンと打ち合わせる。


二階堂さんも、改めておめでとうと言って伊織さまに抱きつく。