一途な御曹司と16歳の花嫁

「伊織さま・・・」


予想外の彼の考えに驚いていた。


なんだか私に対するまぎれもない誠意を感じられたから。


どうしてそんな優しいことを言うのかな。


だって伊織さまは、私じゃなくても誰でもよかったんじゃないの?わからないよ。


「そうだなあ、遠回りのように見えて案外近道かもしれないな」


考えるようなしぐさをした彼は1人ぶつぶつと呟くと、私を膝の上から座席に降ろしてくれた。


そして、少し離れて座りなおした。


「伊織さま?」


あれどうして離れちゃうんだろ。


おかしなことに、彼が私を簡単に手放したのが寂しく感じてしまう。


もしかしたら、怒ってしまわれたのかな?