一途な御曹司と16歳の花嫁

だってどう考えても、私が彼の妻になるなんてこんなの信じられない状況だもん。


釣り合う釣り合わない以前の問題だよ。


父の言うように、伊織さまはなぜだか婚約者のユリナ様とはどうしても結婚したくないらしい。


だから、適当にタイミングよく目に付いた私と結婚したにすぎないんだ。


使用人の娘の私なら絶対に彼に逆らえないだろうから。


つむぎ、冷静になるのよ。流されちゃダメ。


「あの伊織さま、私、お願いがあります」


「ん、なんだ?お願いって」


「えっと、私まだ誰とも付き合ったことがありません」


「うん知ってる」


彼は嬉しそうに目を細めるから、また頭の芯がぼうっとしてしまいそうだ。


だけど高鳴る胸を必死に抑えた。


「だから、そのいきなり結婚というのはやはり抵抗があります」


「・・・」