「え?」


「体を洗ってくれ」


「え、え?」


そうか、こんな超がつくほどの大金持ちは、自分で体を洗ったりしないのかもしれない。


よくテレビなんかで、時代劇のお殿様が侍女に背中を流してもらうシーンとかあるもんね。


新海家でも使用人に洗わせるのが普通なのかな。


「あ、はい。わかりました」


恥ずかしいけど、今は私は彼の妻なんだし彼をベッドからけり落としちゃったんだからそのくらいしてあげなきゃいけないのかも。


「なら、俺もつむぎを洗ってやる」


「へ?」思わず間抜けな声を出して目を見開いた。


「いいだろそのくらい。俺たち夫婦なんだから」


彼は私のほうは見ないで、ぼそぼそと呟く


「・・・」


なんて答えていいか困っていたら、ギュッと抱きしめられた。