え、嘘。それはひどい。私ったらなんてことしちゃったんだろ。


「伊織さま、ごめんなさい」


「床で寝たから、体があちこち痛い」


「え、どうしょう」


慌てて、彼の背中をさすった。
パジャマの生地の上からでも筋肉質な硬さが伝わってきてドキドキした。


「大丈夫ですか?」


「いや、無理」


彼は私の肩に頭を乗せて目を閉じてしまう。


オロオロして、また彼の腕や背中をさすった。


ああ、どうしょう。


私ったらなんてだいそれたことをしちゃったんだろ。


新海家の大切な跡取りを、床に蹴り落とすなんて。


「熱いシャワーでも浴びようかな」


「そうですね、そしたら体が少し楽になるかも」


「つむぎも一緒にはいるか?」