初夜の翌朝、フカフカのお布団の中で目を覚ました私は、隣に伊織さまがいなかったから慌てて起き上がった。


「伊織さま」


どうしょう。旦那様よりも遅く起きてしまうなんて。嫁失格だー。


時計を見たらまだ6時前。


あれ、伊織さま、こんなに早起きだっけ？


ベッドから降りようとして、足を床につけようとしたら柔らかいものを踏んづけてしまった。


「痛っ」


見れば、伊織さまの手を踏んでしまっていたのに気づいて慌てて飛び退いた。


なんと、床で彼は眠っていたみたいだ。


「伊織さま、どうしてこんなとこで寝てるんですか？」


私に踏んづけられた手をさすりながら、彼は寝ぼけまなこで起き上がる。


「あー、昨日、何度もおまえにベッドから蹴り落とされて面倒だから床で寝た。ひどい寝相だった」


あくびをしながらぼやく彼。