一途な御曹司と16歳の花嫁




「つむぎ、ここに住所と名前を書いて」


伊織さまの綺麗な顔が至近距離にきたからドキドキと鼓動がうるさくなった。


頭に霧がかかったようにうまく思考ができない。


その上、体温が急上昇していて身体中が熱い。


「は、はい」


隣の椅子に腰掛けた伊織さまに言われるがままに、ペンを握り書類に目を落とす。


婚姻届と書かれた茶色い文字がぼんやりした頭に飛びこんできた。


その意味を理解して、ペンを持つ手が震えた。


伊織さまと私が結婚、しちゃうの?


いいのかな、本当に。


ペンを持つ手が小刻みに震えて字がうまく書けそうにない。


「つむぎ、大丈夫か?落ちついて。なにも心配しなくていい」


「は、はい」


彼の手が私の震える右手に添えられる。


大きな掌の感触にますます胸が高鳴る。