一途な御曹司と16歳の花嫁

そんなこと、即答できるはずがない。


「南、よせ、もういい」


壁際まで、ジリジリと追い詰められていた私はもう半泣きになっていたけど、伊織さまの声にハッとした。


彼は無言で私に走り寄ってくると私の腕を掴んできた。


「伊織さま?」


伊織さま、助けてくれるんだろうか。


南さんが言ってることなんて全て嘘だって、ドッキリだって種明かししてくれるよね?


だってそうじゃなきゃ、こんな状況をうまく呑み込めないよ。


「つむぎ、俺と結婚してくれるか?」


えっ、伊織さまま、どうして?


なぜ、伊織さままでそんな馬鹿げたことを真剣な表情で言ってくるの?


だけどその時私は、驚きそして同時に心が震えたんだ。


胸の鼓動は、はげしく早鐘を打ち全身が熱くなる。


伊織さまの凛とした男らしい眼差しに、一瞬見とれてしまう。