その妻になる私はというと、高校1年16歳、旧姓 篠田 つむぎ(しのだ つむぎ)。


友達からは可愛い系だねと言ってもらえるけど、いわゆる童顔タイプ。そして痩せ型のお子ちゃま体系。


肩より少し長いストレートの髪は今伸ばしているところ。勉強やスポーツもいたって普通に分類される。


性格はおとなしくて真面目だと思う。そして最近知ったのは私がきわめて流されやすい女子かもしれないってこと。


雲の上の大金持ちの彼と私との関係は


元はと言えば、うちの父が新海家の運転手をしていたからで、いわば私は使用人の娘という立場。


数年前から、体を壊してしまった父は、お屋敷の雑務など軽い仕事に変えてもらったりして、大変なご恩を受けていた。


その他にも、慈悲深い奥様のおかげで、私の弟は、学費の援助を受けてイギリスへ留学をさせてもらっている。


弟は私と違って優秀な子だから、我が家の期待の星でもある。


あの子だけは絶対に、私達が守ってあげないといけない。


そんな私が、大恩ある新海家の一人息子の決定に逆らわえるわけなんてない。


「つむぎ、なにぼんやりしてるんだよ。こっちに来い」

イライラしたような声で言われ、怖くて縮みあがりそうだ。