一途な御曹司と16歳の花嫁

彼はわざとらしく額に手をやって残念そうな顔をする。


直樹の留学を辞めさせなきゃいけないなんて。それは困る。そんなこと絶対にダメだ。


たしかに、私達家族の生活は新海家のおかげで成り立っているようなもの。


もし断れば、私達は新海家から追い出されてしまうのだろうか。


「お母様も、あの家を追われたらお嘆きになるかもしれませんね」


冷徹な彼の声が私の鼓膜を震わせる。


ふいに家族1人1人の顔が浮かんできて、涙がでそうになった。


「やめてください、そんなこと困ります」


「でしたら」


「でも、父に相談させてください」


「そんな暇はありません。あなたが承諾してさえくれたら後から私がお父様を説得します」


ダメだ、全然こちらの話なんて聞いてもらえそうにない。


どうしょう、結婚だなんて、私はまだ16歳なのに。