一途な御曹司と16歳の花嫁

2人のやりとりをぼんやりと聞いていたけど、今何が起こっているのか遠い世界のことのように感じていた。


伊織さまと綾小路ユリナさまとの結婚になぜ私が関わってるんだろう。


頭がちっとも追いつかない。


だけど、こちらへ振り返った南さんの顔を見たらなぜか嫌な予感がした。


なんの感情もない瞳が、私を見下ろしている。


「つむぎ様、時間もありませんから単刀直入に申し上げます」


「は、はい」


ただならない彼の様子に身を硬くした。


「伊織さまがあなたをご所望(しょもう)です」


ごしょもうって、どういう意味だっけ?


「伊織さまは綾小路ユリナ様とは結婚したくはないのです」


「はあ、え?」


「ですから、あなたもお覚悟を決めてください」


「え?何をですか」


「伊織さまの花嫁になる覚悟です」


ハナヨメ?え、え、誰が、なんのこと?