「こんなに強い気持ちを親の前で堂々と言われちゃったらね」


「なんだか、赤面してしまいますね」


奥様と、うちの母は顔を見合わせてフフフと笑っている。


「伊織さま、娘を想っていただけるなら何卒高校生のうちは、節度ある付き合いをお願いいたします」


うちの父のお堅いお願いにイオくんは、タジタジになっていた。


「伊織、わかっているだろうがおまえはより一層の精進をしなければいかんぞ。新海家の跡取りとしての自覚をもってだな」


「・・・はい」


旦那様からの愛のあるお小言は、この後、別室でたっぷり1時間は続いたそうだ。




兎にも角にも、両親からの正式なゴーサインがでた私達は手を取りあって喜びあった。


「つむぎ」「イオくん」


親の前だということも忘れて見つめあった私達が互いに距離を詰めようとしたその時。