一途な御曹司と16歳の花嫁

旦那さまは私の持っているビニール袋に気がついたようだ。


そこには薔薇園の正式な名称が書かれていた。


「これも母の導きかもしれない。
私の母はつむぎちゃんのことを気にかけていたからね。
亡くなる直前まで、2人の行く末を心配していたんだよ」


「旦那さま、ごめんなさい。
それから、ありがとうございます」


まだ全てを許してもらえたわけじゃないけど、私はどうしてもお礼が言いたかった。


イオくんに対して優しい言葉をかけてくれたことが、嬉しくてたまらなかったから。


「いや、こちらこそ私の母のことをいつまでも忘れないでいてくれてありがとう」


この時、旦那さまの瞳に光るものがあったことは私の心にいつまでも焼き付いた。


その面差しは優しかった新海家のおばあさまを思い起こさる。


そして、おばあさまがイオくんと私を大きな愛情で見守っていてくれたこと、今でもきっと天国で応援してくれているだろうことを実感していた。