「すみませんでした」


「ごめんなさい」


お屋敷のドアを開けるや否や、バタバタと足音を立てて集まってきた新海家の両親とうちの両親達。


私達はほぼ同時に頭を下げて謝った。


「ご心配をおかけしました。つむぎさんを連れだしたのは俺の一存です。彼女はなにも悪くありません」


「ち、違います。私が伊織さまに連れ出して欲しいとお願いして、だから私が」


言い終わらないうちに、母にギュッと抱きしめられた。


そのぬくもりと震えを感じたら涙がこみ上げてきた。


「つむぎ・・」


「ごめんなさいお母さん、ごめんなさいお父さん」


「つむぎ、帰ってきてくれて、無事でよかった」


母の泣き顔を見たらもう駄目で、足元から崩れそうになる。


父も目の下にクマがあり憔悴(しょうすい)しきったような顔だ。