ほんとうに?
また何もあなたから奪わずにすむのかな。


もしそうなら、私はまだあなたといられる希望を捨てたくない。


いつしか私達は互いを求めるように、抱き合っていた。


「帰りたい、だけどやっぱり離れたくないよ」


「うん、俺もだ」


「好きだから」


「俺もつむぎが好きだ、絶対に離れたりしないから」


見つめあうと、熱いキスを落とされる。慰め合うような優しい感触にまた涙が溢れた。


「俺も、もう少し頑張りたい。
みんなに認めてもらいたいんだ。俺達の未来にみんなで笑って幸せになれるように頑張りたい」


「うん、私も今度こそ信じて待ってる。
ううん待ってるだけじゃなくて私もきちんとお父さんに話してわかってもらう」


まだ涙がとめどなく流れてくるけど、もう悲しくはなかった。


後ろばかり向いているのは辛かったけど。