どうやらおんぶしてくれるつもりみたい。


「え、はずかしいよ」


「誰もいないから大丈夫だろ?」


たしかに周りは田んぼだらけの田舎道で、人の姿は全くない。


「じゃ、じゃあちょっとだけ」


悪いなとは思いつつほんとに疲れていたので、彼の背中で休憩させてもらおうと思った。


よっこらせって彼の広い背中に体重を預けたら、勢いよく立ち上がって早足で歩き出された。


「重い?ごめんね」


「軽い軽い」


なんでもないことみたいな顔をしてる彼は余裕そうだったからホッとした。


「寝ててもいいぞ」


「そんなの悪いよ」


なとど言いつつ、彼にしがみついてると気持ちよくてフワフワする。


彼のサラサラの髪から香るシャンプーの香りにもドキドキしていた。


地面に重なり合う私達2人の影に目を落とす。