やめてよ、私の前でアイコンタクトなんてして見せつけないで。


ダメだ、今の私、全然可愛くない。


こんなんじゃ彼に嫌われても文句も言えないよ。


「伊織さん、つむぎさんに私の秘密をお教えしても構わないわ。
どうやらこの場に私がいないほうがいいみたい。
お二人でよく話し合って」


彼女は穏やかに言うと立ち上がって、部屋から出て行こうとする。


「すみません」


「頑張ってね」


立ち去ろうとする彼女をドアまで見送るイオくん。


彼女は明らかに私に気を遣ってくれているのだろうけど、素直になれない私はこんなことを呟いてしまう。


「待って、いいです。私が出て行きますから」


私はベランダへノロノロと歩をすすめる。


「でもせっかく彼に会いにきたのに私がいたら」