それから私は父に無理やり連れられてお屋敷を後にした。


なんというかもう、抵抗する力も無くなるくらいに途方に暮れてしまって。


一体私はなんのために、こんなに泣きじゃくっていたんだろう。


こんなに熱くなって。全ては無駄だったんだろうか。


すっかり落胆したようなイオくんも、南さんに連れていかれて当分は自分の部屋で、謹慎させられるらしい。


味方だと思っていた南さんが、旦那さま側にまわってしまうなんて。


イオくんの気持ちを思うと胸が潰れそうだよ。


読めない人だとは思っていたけど、イオくんのことだけは誰よりも考えてくれているような気がしていたのにな。


ガッカリしている私も、相当ショックを受けていた。


私、一瞬でもイオくんの奥さんになれなかったんだ。


その事実を思うとなんだか、凄く寂しかった。