一途な御曹司と16歳の花嫁

そんな時、子供の私は彼の手をとってただ泣いてしまうだけで。


彼は感情を無くした人みたいに、黙り込んでしまうからとても心配だった。


新海家の1人息子としての教育なのかもしれないけど、私はただただ彼が可哀想で仕方なかった。


彼は父親に逆らうことなく一生懸命に勉強にもスポーツにも励んでいたのに。


いい結果をだしても決して褒められることはなかったから。


そっとドアを少しだけ開けたら、さっきよりも話し声が聞こえるようになった。


「それでは、おまえはどうしても別れないつもりなのか?」


「はい」


旦那様の低い声はようやく激しさを失いつつあった。


はあはあと息を吐きながら話しているからもしかしたら怒鳴り疲れているのかもしれない。


「これほど言っても、親のいうことが聞けないのか、伊織、おまえにはガッカリしたぞ」