一途な御曹司と16歳の花嫁

「私も一緒に」
 

「いや、まずは俺が話すから。つむぎはここで待ってて」


「でも」


「つむぎは、何も言わなくていい。いざとなれば俺に脅されて仕方なく従ったと言っても構わないから」


「イオくん?どうしてそんなこと言うの?」


そんな寂しいこと言わないで。自分一人でなんでも背追い込まないで。


「ここにいて、終わるまで待ってて」


ああ、彼はこれから起こるかもしれないことを予測してるの?


同じだ、全く同じ光景を私は知ってる。


幼い私を物置に隠して、
自分は傷付いても構わないと
悲しい覚悟を決めたあの6年前と変わらない。


「イオくん、私は」


彼は私の頬にそっと触れて、優しいキスを落とした。


そして、ありがとうと耳元で囁かれた時、涙がでそうになる。


「俺と結婚してくれて、ありがとう」


言い終わるとすぐにドアを開けて出て行ってしまった。


私は涙でにじんだ彼の後ろ姿を見送っていた。