一途な御曹司と16歳の花嫁

「聞きたい、何度でも」


「好き」


すぐにギュッと抱きしめられて広い胸に閉じこめられる。


切なくてでも嬉しくて今だけって言い聞かせながら。


このかけがえのない幸せを噛みしめた。


たとえ永遠じゃなくても、この一瞬は私の宝物になるから。


「ねぇ、イオくん聞いてもいい?」


「いいよ」


「どうして今はバイオリンを弾かなくなったの?」


ほんとはずっと気になっていたこと。


だけど聞くのが怖かった。


「・・・ああ」


ため息混じりの彼の声は弱々しく響く。


「いつ辞めたの?」


少しの沈黙の後に彼はようやく口を開く。


「ヘタクソだったから、飽きたんだよ。他にやらなきゃいけないこともあるし。
それに」


「たくさん理由があるんだね」


「・・・そうだな」