「つむぎ、今日はご飯少しは食べられそう?やっぱりお粥にする?」


自室のベッドに横になる私を心配そうに気遣う母。


「うん、まだあんまり食べたくない」


「そう、この後お父さんのお見舞いに行くけど家で1人だと心細いわよね。お屋敷から誰かきてもらう?」


「ううん、大丈夫。伊織さまがもうすぐ来てくれるから」


「でも伊織さまとこのまま会い続けて大丈夫かしら。お父さん、ますます彼との結婚には反対みたいだし。あんなことがあったら、お母さんもちょっと考えちゃうわ」


あのパーティーの翌日から1週間ほど私はめまいや吐き気がとまらなくて、学校を休んでいた。


その間は、実家に戻っていたのだけど伊織さまや奥様や南さんまでもが、差し入れを持って代わる代わるお見舞いにきてくれた。


あの事件を知った母は伊織さまとの結婚に不安の声を漏らすようになっていた。