優しく重ねられた唇は熱くて、その熱は一瞬で私を溶かしてしまう。


さっきよりも深いキスにびっくりして全身が硬直した。


唇が離れた時にようやく力が抜けた。


「んっ・・ふぁ」


恥ずかしい、変な吐息が漏れちゃった。


なんてキスするんだろう。こんなのかえって眠れなくなっちゃうよ。


「まだ足りない?」


「・・・」


黙っていると、2度めをされそうだったから早くこの部屋からでていかなきゃって思ったのに、体が言うことを聞かなくて。


今度は扉に背中を押しつけられる体制でキスされて、足がガクガクと立っているのもやっとなくらい。


「も・・だめ」


彼の背中にしがみついていたところまでは記憶があった。


「おやすみ」


彼の甘く囁く声も耳に心地よかった。


こうして、彼との2回めの夜もキスで意識が飛んだ私はそのまま眠りについたのだった。


おとぎ話では、王子様のキスで目覚めるのだろうけど私の場合は、どうやら気持ちよく眠ってしまうみたいだった。