「はい」


「ゆっくり過ごせなくて悪かったな。でもつむぎが会いに来てくれて嬉しかったよ」


「私も・・・あのっ」


でもその先は決して口にしてはいけないような気がしたから俯いた。


「おやすみのキスでもするか?」


「えっ、それは」


慌てて顔をあげたらまた、トクンと心臓が鳴る。


どうしてこんなこと聞いてくるんだろう。


同意を求めないで、このあいだだっていきなりしてきたくせに。


「きっとぐっすり眠れるよ」


ニッコリと綺麗に笑う彼を見たら、そうかもしれないと思った。


「する?」


返事をする前に抱き寄せられ広い胸に顔をつけたらシャツのボタンの外れた部分が目にうつりドギマギした。


そしてなぜか私は2度もうんうんと頷いていた。


顎を軽く上向きにされたから、目をギュッと閉じた。