「ごめんなさい、じゃあ」


でも、彼の迷惑になってたらいけないから慌てて出て行こうとした。


「ああ、おやすみ」


それでも、少し後ろ髪を惹かれる思いでドアのところまで来たところで振り返った。


彼はまだカッターシャツを脱がないで、こちらを見てる。


「・・・」


「なんだよ、そんな顔して」


彼は困ったように笑うと、こちらへ歩いてきてくれた。


「どうした?」


「い、いえ。自分でもわからなくて」


私もどうしたいのかわからなくて困っていた。


このまま、出て行きたくないなってわがままを彼に言うわけにはいかない。


かと言って彼に用事があるというわけでもないのに。


「そうか、わからないのか」