一途な御曹司と16歳の花嫁

彼は懸命に笑顔をつくって泣きじゃくる私の手を離した。


そしてその扉を閉めて一人であいつのところへ行ってしまう。


「いやー、イオくん行かないでっ」


私はようやく声が出て、泣き叫んでいた。


「いやーっ」


「つむぎ、どうしたんだ?しっかりしろ」


目の前にはイオくんがいて私を心配そうに辛そうに見つめている。



「イオくん?」


違う、目の前にいるのは18歳の青年になった伊織さまだ。


イオくんじゃない。助けなきゃ、あのまま彼を一人で行かせてしまったら。


「大きな怪我をしてしまう」


自分でもゾクリとしてしまう言葉が口をついて出た。


「助けなきゃ、誰か大人を呼びに行かなきゃ」


まだ夢と現実のはざまにいた私は泣きながらうわごとのように呟く。


「つむぎ、大丈夫。俺は大丈夫だから、ほら見ろ」