一途な御曹司と16歳の花嫁

「いや、いやイオ君も一緒にここに隠れていようよ」


だけど、彼は寂しそうに眉を寄せて私を説得する。


「でも、僕は来週には留学しなきゃいけないんだよ、そしたらもうつむぎを守ってあげられないんだ。だからきっちりあいつと話してくる」


もういいの、そんなことはどうだっていい。今あいつのもとへ行ったら行けないの。


行かないでってもう一人の私が叫びだす。私はこの後どうなるか知っているから。


けれど、叫んでも叫んでも声にならなくて、もどかしくて苦しい。


このあと、大変なことになってしまうのを私は知っている。


あいつは、狡猾で残忍な獣。人を傷つけることなんて何とも思わない。


だから行かないで、お願いだから行かないで。


「約束だよ、つむぎ。絶対に出てこないで」