一途な御曹司と16歳の花嫁

ああ、イオくんだ。クールな横顔、はにかんだような笑顔。


私を呼ぶ優しい声、私を愛おしそうに見つめるそのまなざしも。


ああ、やっと会えたんだね。


どうしてあなたを忘れていられたんだろう。


私はずっと、あなたに会いたかったっていうのに。


はじめその夢は子供の頃の彼との楽しい思い出なのかと思った。


おばあさまの部屋にいる私と彼。


だけど彼は目を赤くはらしていて悲しそうに俯いている。


私は、おばあさまと一緒に彼を慰めている。


泣かないでって、イオ君は凄いんだよ、もうそれ以上がんばらなくてもいいんだよって一生懸命に励ましているんだ。


そのうちに私も彼の涙を見てるだけでいたたまれなくなって、わんわん泣き出してしまうんだ。


「もーつむぎはうるさいよ、もっと静かに泣けって」


「だってー」


あんまり私のほうが激しく泣くものだから彼は泣き止んで私を慰める側に回ってくれる。


こんなこともあったような気がするんだけど、どうして彼が泣いていたのかまではわからなかった。