しかも、彼のほうに寄り添うように小首をもたれかけていてまるで妹みたいな甘えよう。


これって。


完全に私のほうが伊織さまのことを大好きって全身で言っているように見えた。


少年の伊織さまはいかにも良家のお坊ちゃんと言った上品で控えめな笑顔。


しかもまばゆいばかりの美少年だ。


今も綺麗な顔立ちだけど子供時代はまさに天使って感じ。女の子の私よりもキラキラしてる。


私は無意識にそっとその写真の彼に触れてみた。


「イオくん」


ふと口をついて出たのは、大好きだった少年の名前。


彼の手はいつだって私が追いつくのを待っていてくれた。


「つむぎ」って呼ぶ声は今の高校生の彼よりもずっと高くて可愛らしかった。


そして、私の隣に写るおばあさまのお顔にも触れてみた。凛とした気品に満ちた薔薇の花のような方だった。