一途な御曹司と16歳の花嫁

彼は額に手をあて、私から視線をはずす。


「南さんにですか?」


「俺はもう手遅れだって言ったんだ、けど南はまだ間に合うから、最後まで諦めるなって言うんだ」


「はぁ、そうなんですか?」


彼が何を言ってるのかわからなかったから、曖昧な返事をした。


南さんと言えば、伊織さま専属の執事で教育係だ。


将来は彼の右腕になるとも言われる優秀な人で、年は30歳前後だろうか。


その人が、なぜ私と伊織さまに話をさせようとするんだろ。


わけがわからない。


「伊織さま、顔色がよくないです。そこに座りましょう」


「ああ、そうだな」


すぐ近くに白いベンチが置いてあるので2人で移動する。


彼が私の背中に手をまわしてきたので、よほど気分が悪いのかなと思って支えるように近くのベンチに連れて行き、座らせてあげた。