反省したようにシュンとする奥様は根っからのお嬢様。


時々、自分の世間知らずさに猛省されるほど謙虚なお方だ。


「い、いえ。こちらこそすみません。もう母も落ちつきましたし今日からお屋敷に戻ります。あと薔薇園の様子も気になっていたんです」


実際、薔薇のお手入れのことなどが今どうなっているのか気がかりだった。


「ありがとう。つむぎちゃん。でもそういうことならつむぎちゃんのペースで無理せずうちに通ってきてくれたらいいからね。


そうそう、お庭の薔薇のことなら南さんがかわりにやってくれていたわよ」 


私の肩に優しく手を置いた奥様は、もったいないくらいに寛大な姑だ。


「奥様ありがとうございます」


だけど、隠し事をしてしまっていて後ろめたい。