あれ、これってほったらかしにされてない?


伊織さま、どうしちゃったんだろ。


結婚して、即別居って。


それとも釣ったサカナにエサをやらない的なやつだったりして。


そんなに気になるんだったら自分から連絡をとればいいようなものだけど。


けど私は彼のスマホの連絡先すら知らない。


自由にしていていいってこういうことなのか。


こちらから会いに行かなくても彼は怒らないのかな。


学校でたまに姿を見かけることもあったけど、彼はいつだって人に囲まれていたから近寄りにくかった。


いつになったら会えるのかな、なんてそんなことを考えながら、時間ばかり過ぎていった。


そして8日目の夕方、学校から帰って来た私は部屋でゴロゴロしながら壁にかけていたクリーム色のワンピースを見ていた。