一途な御曹司と16歳の花嫁

「いいなずけの綾小路家の令嬢が来るんだ」


「あ、そうなんですか。ユリナ様ですよね。とてもお綺麗な方ですね」


そうか、それじゃあついにご結婚の日が近いのかもしれない。


私達、庶民からしたら考えられないけど、生まれたその時から、彼は結婚相手が決まっているんだ。


いくつもの会社を経営する新海グループは数えきれない数の従業員や下請け会社等がある。


伊織さまは、その人達の人生を背負って生きていく。


そういう星の元に生まれた特別な人だから。


ユリナ様は、私もお会いしたことがあるけど、聡明で優しくてとても綺麗な方だった。


まさに、王子様みたいな伊織さまとはお似合いだと思った。


「そんな女に、興味はない」


彼は視線を落として寂しそうに呟く。


伊織さま、どうしたんだろう、照れていらっしゃるのかな。