そんな態度を取るのはやっぱり父の言うように私を本気で愛してはいないからなの?


自由にしていていいだなんてまるでずっと実家にいてもいいみたいに聞こえちゃうよ。


それは私がどうでもいい存在だから?


それとも父の態度を気にして面倒になっちゃったのかな。


「待てよ、わけがわからないぞ」


困惑する彼の瞳を見たらハッと我に返った。


「そ、そうですよね。ごめんなさい」


急に恥ずかしくなって彼に謝り、急いで背を向けた。


唇を結んでギュッとスカートを握りしめる。


これじゃあ私、離れたくないって駄々をこねているみたいだ。


彼はどう思っただろう。


恥ずかしいよ。


「じゃあこれで」


言って父の病室へと駆け出した。


振り返らなかったので彼がどんな顔をしているのかは分からなかった。


今さっき彼を信じたいと思ったばかりなのに、少しのことで不安に押しつぶされそう。


再び父のいる病室のドアを開けて逃げるように飛び込んでいった。