えっ、そんなこといいんだろうか?夫婦なのに、別々の家に帰るなんて。


「あ、じゃあ明日からお屋敷に戻ればいいですか?」


「いや、いいんだ。つむぎは自由にしてればいいよ。別に屋敷でなくたって学校でも会えるしな」


「でも」


まさか彼にそんな風に言われるなんて思ってもみなかったから驚いた。


このままお屋敷に一緒に帰るのかなって思ってたから。


それと、てっきり今夜も彼の部屋で一緒に眠ろうと言われる気がしていたんだ。


夫婦なんだからと、当然望まれるような予感がしていた自分がちょっと恥ずかしい。


そっか、今日は彼のお屋敷へは帰らなくてもいいのか。


「じゃあな」


追い討ちをかけるように、彼が涼しい顔で言ってすぐに背中を向けてしまうものだから茫然とする。


え、そんなにあっさり別れちゃうんだ。


これでデートは終了ってこと?