一途な御曹司と16歳の花嫁

自分でも何をしたいのかわからないけれど、さすがにこの雰囲気はまずいかなと思った。


「とても楽しかったよ」


それは半分以上は本音。素敵な洋服を選んでもらって心が躍ってたのは確かだから。


「綺麗よ、つむぎ、その服、よく似合っているわ。ねえ、お父さん」


「・・・そうだな」


こちらを見もしないで答える父の頑なな様子に、どうしょうって不安な気持ちになる。


今の父は、演技でも伊織さまに愛想よくできる状態じゃないみたいだ。


小柄な父は入院してからますます痩せたように見えたし、今回の結婚のことで心労をかけているのがわかるから見ていて辛い。


新海家に仕える身でありながら、こんな不敬な態度をすることなんて普段の父ならありえない。


わかってはいても娘のこととなればどうしようもないのかもしれない。