一途な御曹司と16歳の花嫁

「す、すみません」


「ほんとに、やなやつだ、おまえはいつも」


「ごめんなさい」


「謝ってばかりだ」


「でも、伊織さまが怒ってるから」


「怒ってなんかない。おまえを見るだけで、イライラして胸糞悪くなるんだよ。だから、おまえが悪い」


なんだか、無茶苦茶な論理だけど、逆らえない。


「はぁ、すみません」



理不尽に叱られて、悲しくて目に涙が浮かんできた。こんなこといつものことなのに。


だけど、今日は父も居なくてよりによって彼と2人きりになるなんて心細かった。


やっぱり、伊織さまは私のことがよっぽど嫌いなんだろうな。


「泣くな、どうしていつもこうなるんだ」


早足で、近づいてきた彼が私にハンカチを差し出してくれた。


戸惑っていたら、無理やり握らされた。