一途な御曹司と16歳の花嫁

認めたフリをして2ヶ月先には別れさせようとしているんだから。


ベッドで半身を起こしている父は、伊織さまとは目も合わせない。


会話の途切れた病室にはテレビの音だけが響いているだけ。


だけど意を決したように伊織さまが話しだした。


「婚姻届の方は昨日のうちに南が役所へ提出しに行きました。
突然、僕の方の事情で勝手なことをしてしまい、すみません」


母が、急いでテレビの電源をオフにする。


きっと彼の様子から大切な話があることを察したのだろう。


「・・・いえ、坊ちゃん」


絞り出すようにそう言ったきり父は口をつぐんでしまう。


私は母と顔を見合わせて、慌てて父に話しかけた。


「お父さん、私は大丈夫だから。とてもよくしていただいて、今日も一緒にショッピングに行ってきたの」