一途な御曹司と16歳の花嫁

「伊織さま、ありがとうございます。こんなによくしていただいて。それにたくさんお見舞いの品もいただいて」


「いえ、突然すみません。お加減はいかがですか?」


伊織さまが丁寧に両親に挨拶してくれて、母は少しテンションが高めに緊張しながら対応する。


新海家の御曹司と直接話すことなど滅多にあるわけではないから、驚きを隠せないみたいだ。


父も恐縮したように頭を下げてこそいるけど、さっきから硬い表情であまり口を開かない。


私達が病室に入ってきた時からずっと父と伊織さまの間に、目に見えない張り詰めたものを感じて内心ヒヤヒヤしていた。


これが、いわゆる夫と父の間に挟まれる花嫁の居心地の悪さなのかもしれないけれど、実際は少し違っている。


だって、父は本心からはこの結婚を承服していない。