「わかった、わかった。さあ、行こうつむぎ、待たせて悪かったな」


言って、また私の手を取り目的の店の方へ一緒に歩き出した。


SPの3人は仕方ないといったように、その場で待機してくれることになった。


私は振り返ってその人達にペコリと頭を下げた。


伊織さまを守ることが彼らのお仕事。


そんな人達のお仕事の邪魔をしてしまったようでちょっと申し訳ないなって思ったから。


「伊織さま、早目に終わらせましょうね」


「別に構わないよ。ゆっくり選べばいいからな」


「でも、昔、危ない目にあったことがあるんですよね?」


私には想像すらできない世界だけど、お金や地位に恵まれた人は犯罪に合う確率が上がるとかってテレビか何かで見たことがある。


子供の頃にそんな事件があったなんて話も初耳だったから余計にびっくりした。