一途な御曹司と16歳の花嫁

「ですが我々は奥様に伊織さまから絶対に目を離さないように言いつけられています」


「母さんは大げさなんだよ」


伊織さまは、フウッとため息を漏らす。


「いいえ、用心に越したことはありません。忘れたんですか?暴漢に襲われて大怪我をさせられたことを」


物騒な話が聞こえたので、ギョッとした。


「あー、覚えてるって。でもあれはもう子供の頃の話だ」


彼は私の方を気にしてチラッと視線を送ってくる。


「今はもう俺だって鍛えてるから大丈夫だろ」


伊織さまとその智樹と呼ばれたSPの彼は、しばらく睨み合いながら何事か相談しはじめたけれど、結局は伊織さまの主張を通すことになった。


「では、30分以内でお願いします」


「ケチくさい奴だ」


伊織さまがつまらなそうに舌打ちする。


「伊織さま、自重してください」