一途な御曹司と16歳の花嫁

言って私をその場に一人置いていこうとするので焦って彼を追いかけて制服の袖をちょっと掴んだ。


こんな異世界みたいな場所にほっぽりだされたらたまらない。


彼はびっくりして私を見たけど、すぐに手を繋いでくれたのでホッとした。


その時、バタンっと車のドアが勢いよく閉まる音がした方に振り返った。


伊織さまの車の後ろに駐車した黒塗りの車からは、3人の大人の男性が降りてきたかと思うと、私達はすぐに取り囲まれてしまった。


スーツ姿のいかにもいかつい感じの屈強な男性が2人ともう1人は比較的普段着の若い長身な男性。


うそっ、何これ。ヤバイよね。逃げないと。


「伊織さま、怖い」


スーツ姿の男性があまりに殺気に満ちた目をしていたので思わず震えあがる。


絶対普通の人じゃないよ。なんて思いビクビクしていたら、伊織さまがため息混じりに口を開いた。