一途な御曹司と16歳の花嫁

(授業が終われば速攻でお迎え)


(ちょっとしたねぎらいや褒め言葉)


(頭ぽんぽん)


その他にも顔から火が出そうなベタなテクニックが書いてあり、さすがに呆れるやらおかしいやらで吹き出してしまった。


「フッやだっ、伊織さまったら。おかしいっ」


「なんだ?やっぱり喜んでるじゃん、よしよし成功だな」


1人うんうんと満足げに頷く彼が可愛く思えて、ますます笑ってしまった。


「あ、ヤバイ時間がない、走るぞ」


言って私の手を握る伊織さま。遅れないように一緒に駆け出した。


どうしたんだろう、凄く急いでいる様子だ。


「あの、どうして急いでるんですか?」


「ちょっと寄りたいところがいくつかあるんだ」


「あの、手を」


こんな風にしっかり手を繋いで廊下を走っているところを誰かに見られるのが心配だったけど、離してはもらえなかった。