キリクは重たい体を持ち上げ、歩き始めるグレイオスの後に続いた。


キリク
「聞きたいことがあるんだが…?」


そう言うキリクの言葉が聞こえてか聞こえないでか、グレイオスはそのまま黙って歩いていた。


キリク
「……。」


そして、グレイオスは、ある部屋の前で立ち止まり、こう言うのだった。


グレイオス
「ここだ。」


キリクは、扉を開けながらそう言うグレイオスに促され、その部屋の中に入るのだった。















――――甘い香りのする部屋。















その香りが、キリクに一瞬の隙を見せるのだった。