城に戻ったキリク達を迎えたのは、慌ただしく駆け回る騎士達だった。


キリク達は何事かと思い、門兵に事情を聞いた。


キリク
「この事態はどういうことだ?」

門兵
「隣国のガラド王国が攻めて来たです!」


キリク達は耳を疑った。


隣国のガラドは西方の平原を抜け、高く険しい山を越えた先にある国なのだ。


決して攻め込んでこれるわけがない。


キリク達はまさかと思いつつ、王の元に急ぐのだった。








王は甲冑をつけていた。


迎撃戦での指揮を取るのだろう。


キリク
「ただいま戻りました。」

ダリウス
「よく戻った。
この状態を見ればわかるだろう。
話を聞き次第、お前にも出兵してもらう。」

キリク
「王、その話なのですが、…盗賊の姿はありませんでした。
更には重罪人の姿までも…。」

ダリウス
「何だと!?」

キリク
「脱走の跡すら見当たりませんでした。
…あの牢獄からあの人数、…魔女の仕業としか思えません!」

ダリウス
「…!?」

「…そちらにはマーダーを向かわす!
お前は迎撃戦の方に参加するのだ!
…その砂漠の民は城の牢にでも繋いでおけ!」

グレイオス
「…!?」