うっすらと目を開けると、
ぼんやりとした視界に真っ白な天井。

それから、消毒液の匂い。

右側から明るい日差し

左側の手には、暖かいぬくもり。



私が目を醒ますと、縁ベットに上半身を預けて眠っていた

握られた手に温もりが伝わる

わたしはもう一方の手を伸ばし、縁の髪を撫でた

すこし栗色の髪の毛。
サラサラしていて癖のないストレート。

しばらくすると、
髪を撫でられる感覚に目を醒ましたのか
縁が飛び起きて、わたしを見た

すこし、やつれた縁の姿に、どれだけ心配をかけたかを知る

「ごめんね。」

縁、、、と名前を呼ぼうとしても声が出ず涙が溢れた

わたしの目から溢れる涙を…縁は拭ってくれた。


「杏が生きていてくれて良かった…」

気を失う直前、縁の姿が見えたけど、幻かと思ったけど、本物だったんだ。

縁が助けに来てくれた。

「縁、橘くんは!?、」

その名前を出した途端、縁の顔が厳しくなった

「アイツのことは、もう解決した。、、、アイツはもう学校に来ない。」
「えっ?」

まだ話が見えないわたしに
縁は少しづつ話を始めた。

雷雨がひどくなって
帰宅時間が過ぎても帰らないから、心配していたこと。
蘇芳くんが、橘くんに抱きかかえられて公園からでるわたしを見たこと。


蘇芳くんから実は橘くんの裏の顔があって、あまりいい噂を聞いていないことを縁が知っていたこと

橘くんは、危険行為や暴力行為をして目をつけられている集団のリーダーだったこと

橘くんと私を探してがグループの溜まり場にたどり着いたこと。