これが恋だと言うのならば

「冬夜君?」


「ん?」


「なんか、悲しそうな顔してるから。」


「そう?幸せだよ…。」


…あんな出会い方、したくなかった。


普通に出会って、普通に恋に落ちたかった。


朝陽…朝陽…朝陽…


ふわふわした髪をゆっくりと撫でてみる。


すりすり、と俺の胸に擦り寄ってくる朝陽。


…可愛い。


腕の中にいる朝陽を、強く、だけど傷つけないようにもう一度抱きしめた。


「冬夜君」


「なに?」


「あと10分で1時間目終わるよ?」


「わ、ほんとだ。早いな〜…」


「早いね。授業受けてる時はすっごく長いのに。」


「ほんと。何でかな」


「たまには、いいね、サボっちゃうのも、なんて」


「わー、悪い子」


「な、先にサボろうって言ったの冬夜君だよ!?」


「そーだっけ?忘れた」


「わ!都合悪いと忘れるんだ!!!」


「まあね?」


「あははっ、なにそれーっ」


「朝陽」


「ん?」


「俺、朝陽が好きだよ」


「え!?!う、うん、ありがと…?」


「うん。」


「なんか冬夜君今日なんか違くない…!?!」


「そうかな?」