これが恋だと言うのならば

「朝陽だって悪い子じゃん」


「だって!冬夜君と一緒にいたい…」


あー…もう、また可愛いこと言ってさ


どうしたいの、俺の事。





こんな気持ち、知らなかった。


知らなくて、いいと思ってた。


多分、イマイチ、よく分からないけど、この気持ちはきっと、世でいう〝すき〟ってやつなんだと、思う。


全然知らなかった気持ちなのに、そうだと思い始めたら、何故かその言葉がしっくりきて、身近に感じた。


「朝陽、おいで?」


手を広げて朝陽を迎え入れる。


「…冬夜君?」


ぎゅう、と朝陽を抱きしめて、このまま閉じ込められたら、なんてことを考えた。


「朝陽…」


「なーに?」


「…ごめん、ごめんね…」


「えー?どーしたの?なんで、謝ってるの?」


ほんとに、ごめん。


好きだ、好きだよ…朝陽…。


ごめん、こんな奴で


ごめん、あんな出会い方で


ごめん、ごめん、ごめん、


ごめん、こんな俺が、好きになって…。


だけど、ごめん、まだ、俺の事…好きでいて…、


わがままで、ごめん…